【読ませるラジオ】漫画「波よ聞いてくれ」感想


波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンコミックス)

こんにちは、どれいです。

漫画「波よ聞いてくれ」5巻までの感想です。

この漫画、3巻までは読んでたんですが楽しみにしてたが故にゆっくりと続刊を読むタイミングがなかなかありませんでした。そんな「波よ聞いてくれ」ですが、4、5巻にかけて急展開を迎え、いい意味でぶっ飛んでんなーと思ってます。

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「波よ聞いてくれ」あらすじ

舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!

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沙村広明先生といえばどうしても「無限の住人」のイメージが強いんですが、今作は打って変わって現代のラジオ業界が舞台。しかもコメディ。

ミナレさんみたいな女性は好きですか?

(©『波よ聞いてくれ』沙村広明)

本作の主人公、鼓田ミナレが自身の失恋話をラジオの電波に乗せられ、怒鳴り込むもディレクターに乗せられその場でアドリブトークでパーソナリティデビューというぶっとんだ導入。彼女のキャラクター性が強烈で、それが好きかどうかで評価が分かれそう。ちなみに自分はミナレさん好きです。惚れ込んでる中原くんの気持ちがよくわかります。口が悪いといえば悪いですが、他者を笑いものにして傷つける表現はしないし、むしろ自虐的でお人好し、貧乏くじを引くタイプ。口内に亀に排便されるヒロインとかはじめてみたわ。

漫画のキャラクターだからだといえばそれまでですが、よくあそこまで口からポンポンと色んな言葉が出てくるなーとか語彙力、雑学に感心しちゃいます。自分はアドリブでなにか喋れといわれても咄嗟に何も出てこないので、口達者な人はすごいと思いますね。なにより20分以上のトークで一度も噛まないって相当な才能だ。

ただ、彼女は美人さんなんですが、恋人というより女友達としていてくれたら面白いなーというかもっというとそれこそ麻藤さんみたいに飲み屋で酔って突然絡まれると楽しい人なのかも。さらにもっというとその二人の会話を肴に近くの席で飲みながら必死に笑いを堪えるのが一番楽しそう。

あれ?この感覚って、まさにラジオの魅力そのものなんじゃないかと。

畳み掛けるオカルティックコメディ

ラジオ「波よ聞いてくれ」では麻藤さんの仕掛けとミナレさんのアドリブによって行き当たりばったり型破りな番組作りをしています。その内容が不思議と現実のミナレさんを取り巻く状況とリンクしてゆくライブ感。そしてなにかと猟奇的。猟奇的な彼女。

初回の「裏切られて恋人を殺してしまった女」のゲリラ的なラジオドラマは麻藤さんと知り合うきっかけともなった光雄との関係まんまであった。そしてその光雄が別の女にまさに殺されかかっているその瞬間、自身の現状とあまりに酷似したラジオの内容によって女は逃げ出す。奇しくも光雄を殺したいほど憎んでいたミナレさんは間接的に彼の命を救っていた。その後再会した光雄のクズっぷりにラジオドラマ内であらためて引導を渡すも実に猟奇的。しかし、それくらいしなければ彼に対して情の絆されそうになる自分を断ち切れなかった彼女の情の深さの裏返しでしょう。その後もアパートの住人を殺人事件の犯人に仕立て上げてしまったり、なぜかオカルト色が強い。

(©『波よ聞いてくれ』沙村広明)

そして最新巻では構成作家の久連子さんの取材旅行へADの瑞穂ちゃんと同行するのですが、そこで宗教団体に拘束されてしまうという超展開。ガイドさんに落とし穴に嵌められたシーンで、コレ絶対ミナレさんの妄想オチだと確信してたのにまさかの現実続行。賛否ありそうな展開ですが正直自分はこういうの好きです。ギャグみたいな連中でなんだかんだ要求を叶えて開放されるかと思いきや、音響兵器を利用して放送テロを起こそうとしている反社会的組織の可能性が浮上。久連子さんですら一笑に付せない危機にサブリミナル効果を利用してSOSを受け取った藻岩山ラジオが救出に向かう、という気になりすぎる続きです。どう転んでも拉致監禁の事実はあるので犯罪に巻き込まれてはいるのですが、これまではスタジオの中でSFやオカルトと対峙してきた面々がはたしてどうなるのか楽しみです。


波よ聞いてくれ(5) (アフタヌーンKC) [ 沙村 広明 ]

「自分が恥をかいて起こる笑いが一番尊いよ」

ラジオ業界を描くというと地味な印象ですが、蓋を開けたらとんでもないアクティブな漫画です。主人公のミナレさんをはじめ、登場人物のキャラ立ちが素晴らしい。瑞穂ちゃんは見た目も中身も可愛いし、城華さんはクールビューティーなのに報われない片想いしちゃってる可愛い。ミナレさんの仇敵のVOYAGER店長も可哀想な中原くんもそれぞれに挟持があり、行動原理にも納得できます。最新刊では喰えないオヤジキャラで麻藤さんとかぶっていた久連子さんも、作家として希望を持って進もうとする姿や、自分以外に興味がないふりをして年長者としてミナレさんと瑞穂ちゃんの安全もちゃんと考えていたりと大人の男として描かれています。瑞穂ちゃんの気持ちにはとっくに気づいてるんでしょうけど、それに応える気はないんだろうなあ。沙村先生が巻末に「恋愛ドラマをやりたい」と書いてあっただけあってその辺にも期待。

(©『波よ聞いてくれ』沙村広明)

そしてミナレさんの名前「ミナレ」がシセル光明の発言に由来することが発覚。一巻の麻藤さんの発言からもミナレさんとシセル光明になんらかの血縁関係がありそう。あの両親も実の子ではなかったとかあっけらかんとカミングアウトしそうだし。彼女も運命によってこの世界に導かれたのだろうか。


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波よ聞いてくれ(5) (アフタヌーンKC)

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